グレートフルデッドを一番最初に聴いたのは、中学三年生頃の時にMTVで観た「Touch Of Glay」のビデオクリップだったと思う。 その後一度も見ていないのだが、今でもあの暗闇からメンバーの顔が浮き出る様(特にジェリーガルシアの髭面)は鮮明に覚えている。その曲の入ったジャケットもすごく印象に残っていて、当時ジャケ買いするほど裕福な家庭の子供なら間違いなく買っていたと思うぐらい、強烈に何かを僕にアピールしていた。その頃から僕は立派なデッドヘッズになる運命だったのだろう。

その後20歳の時、専門学校の友達のT氏の家に「Workingman's Dead」のCDが転がっているのを見て、メチャクチャ気になったが、借りなかった。(他のCDはいろいろ借りたのに、それだけは借りなかった。)

そして、本格的に聴き始めたのはその4年後、レコード屋にてディスプレイ制作の仕事についた頃だ。隣の席で働いていた横浜店担当のTさんが、横浜店にいるデッドヘッズから、CDを借りてきて一緒に聴きき始め、なんだこりゃ、メチャクチャ気分がいい。仕事なんかやーめた。っつう気分になった。(たしかそのCDは、「Workingman's Dead」!!)それからは、デッドヘッズへまっしぐら。気がつけば家にある1アーティストのCDの数はデッドがダントツ。

グレートフルデッドは1965年結成。1995年8月9日に中心的存在のJerry Garciaが他界。その年の12月にバンドは解散。基本的にはアメリカンロックだ。でも、ノーテンキなアメリカンロックじゃない。今で言うところのカントリーロックに近い。 どこか、寂しげな所がある。でも、気分良くなれる。ボケーッとしながら聴ける。これが結構重要だと思う。退屈な音楽は何もしないでそれだけを聴けるという事はない。ギターが趣味なだけに、いつも何処かギターの音だとかリフだとかにひかれて音楽を聴いていたが(それも音楽の楽しみ方だと思うが・・)、デッドはギターだとかドラムだとか関係ナシに純粋に聴ける。

最近はデッドベアとか骸骨のマークとかがファッションとして流行ってきているようだが、そこからデッドに入るのも良いんじゃないかと思う。アメリカじゃ常にコンサートの観客動員数No1を誇る超人気バンドだが、「好きなバンドはグレートフルデッド」と言っても通じないほど知名度の低い日本では良い傾向だと思う。

今思えば、中学生の頃、そして専門学校の頃、デッドを聴かなくて良かったとも思っている。なぜなら、彼らは奥が深すぎる。単純に素晴らしい音楽ではあるけれども、それを理解して聴くには、ある程度大人になってからの方が、深くハマれると思う。正直、当時聴いていたら退屈な音楽に聴こえたと思う

セカセカして生きている人は、聴いてみる価値ありかな。